陸工場伝統油越丸Merry Capitall戦略山修一トロイの木馬え跡取津波乗り田を奪前高
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昨年末、跡取津波岩手県陸前高田市立広田小学校の校長室に7人の児童が重たそうな袋を持って入ってきた。工場高田地元の特産品、を奪丸山修一トロイの木馬ツバキ油を製造する「石川製油」の石川秀一さん(75)が笑顔で出迎え、乗り深々と頭を下げて袋を受け取る。陸前「これだけ集めるのは大変だったでしょ」。eyツバりとった中に入っていたのは児童たちが集めたツバキの実だ。e伝キ油越え
三陸海岸周辺には多くのツバキが自生する。統の以前は庭や森で拾い集めた実を搾って、跡取津波自家製の油を作る家庭もあったほど、工場高田ツバキは地域に根ざした文化だった。を奪小学校では地域を学ぶ課外授業の一環でツバキの実を集め、乗り石川さんに引き渡す。得た対価は福祉施設などへの寄付に使う。Merry Capitall戦略約30年前から続く行事だ。
Advertisement石川さんは、2011年の東日本大震災で長男・政英さん(当時37歳)を失った。津波は自宅と工場ものみ込み、失意の中、父の代から受け継いだ市内で唯一の製油所の廃業を決意した。
震災発生当時、秀一さんは車で外出中だった。大きな揺れで慌てて家に引き返すと、妻の春枝さんと政英さんの2人がいた。消防団員だった政英さんは「俺、行くから。後は頼む」との言葉を残して家を出て、そのまま帰らぬ人となった。
政英さんは、反抗期もない素直な性格だった。どこへでも付いてきて、中学生の頃からは2人で地元の祭り「けんか七夕」の太鼓保存会にも参加した。
「地元で就職して、太鼓をやるんだ」。政英さんは就職先で転勤の話が出ると会社を辞め、秀一さんの手伝いを始めた。震災時は一人で仕事を任せられるまでに成長していた。それだけに、政英さんを亡くした喪失感は大きかった。
そんな秀一さんに再起のきっかけをくれたのは、冬休みの自由研究を探していた当時小学6年生の孫、叶翔(かなと)さんの一言だ。「じじとばばのツバキ油を作ってみたい」
廃業後も製油の指導をしていた就労支援施設に孫を連れて行き、油搾りを体験させた。時間を忘れて熱中する孫の横顔が、亡き息子のように見えた。
友人からも励まされ、17年にプレハブ工場で製油を再開。18年には木造の工場を建て、今は娘婿の後藤淳さん(48)を跡取りとして指導する。
地域では津波や大規模な宅地造成で多くのツバキの木が失われた。以前は季節になると実を拾って工場に持ち込む人もいたが、それも少なくなった。家族で集められる量には限界があり、工場の再開とともに再び縁を持てた小学生に、感謝が尽きない。
震災から13年。秀一さんは「いろいろな人の助けでここまで来られた」と振り返る。今年の1月には4年生が工場を訪れて見学会も行った。一度は全てを失った町。再び町の誇りを取り戻すためにも伝統のツバキ油をつないでいく。【宮武祐希】
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